石を知る
その辺に転がってるのも「石」ですし、10億円のダイヤモンドも「石」です。どちらも宇宙と地球が生み出して、人間が価値を定めたものです。ここではそんな石たちの、様々な情報をお届けしたいと思います。
石の種類
自然石は生成の過程により、「火成岩」「堆積岩」「変成岩」の3種類に大別されます。
火成岩
溶けたマグマが冷え固まり結晶化したもの。
その中でも、地表付近で急激に冷えて固まった物を火山岩、地下深くで時間をかけて固まった物を深成岩と呼ぶ。
・火山岩
・深成岩
深成岩が固まって石になるまでには、数十万年~数百万年かかると言われています。
石は地球が激しく生きていた証ということなのです。
堆積岩
地表にある岩石が風化して水や風などに運ばれ、水中または陸上に沈殿・堆積して出来た岩石。
石灰岩、チャート、砂岩、泥岩、れき岩、凝灰岩などがあり、主に建築石材として利用される。
砂岩などは風化が早いため、あえて庭物などに使うと、苔が生えやすく味わいが出ます。
変成岩
火成岩や堆積岩などが、地殻変動にともなう熱の圧力を受けて再結晶化し、変質した岩石。
大理石、蛇灰岩、ホルンフェルス、スカルン、直閃石菫青岩、千枚岩、結晶片岩、ミグマタイト、角閃岩などがあり、主に建築石材として利用される。
ちなみに、石焼ビビンバの石は角閃岩です。
堆積岩と変成岩は、石に模様が出ることが多く、唯一無二のその模様は、芸術的であると言えます。
石と水の関係
これは石選びでとても重要になるので、別ページを用意してあります。
石材サンプル
石は世界中で採れますので、優に数千種類はあります。しかし、実際には安定した丁場はそれほど多くはなく、景観条例などによって閉山されてしまうケースもあります。
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どこの国の石がいいの?
「中国の石は良くないんですよね~?!」
これはお客さんからよく聞かれることです。
答えは、「良い石もあるし、悪い石もある!」です。そして、それはどこの国の石でも同じなのです。だって石は、地球が激しく活動した結果の産物で、国境は人間が戦いの末に定めたものなので、そこに因果関係は存在しません。
ただし、価格に関しては因果関係があります。仮にまったく同じ品質の石が複数の国にあったとしたら、人件費の高い安いが、そのまま石の価格の高い安いになります。
どこの国の石でも、この星が生み出した石であることに変わりはありません。
石材加工・仕上げ方法
石の加工や仕上げには、様々なものがあります。ここでは代表的なものをご紹介します。
本磨き仕上げ
墓石や石の外壁などで、表面がツルツルして鏡面になっている加工です。石の切断作業の後にダイヤモンドの研磨盤を使い、粗いダイヤモンドの粒子から、少しずつ細かな粒子の研磨盤を使い、全8工程繰り返しようやく完成します。曲面や細かなところは、すべて手作業での磨きになります。高いスキルと、長い時間がかかる作業です。
バーナー仕上げ
石の切断作業後に、プロパンガスと酸素を使い、3000℃のジェットバーナーで表面を焼いていきます。焙られて膨張した表面粒子が、バチバチと音をたてながら弾け飛び、キレイな粗面が完成します。主に床材などで、ノンスリップ加工として使われ、転倒事故を防止します。
ビシャン仕上げ
右の写真のように、逆ピラミッド型の先が尖った群状歯の道具を使い、石の表面を叩き細かい凹凸を作ります。バーナー加工より、自然の風合いをより強く出す場合に用いられる加工です。主に敷石・庭物などで採用される加工です。
ノミ切り仕上げ
石の割肌を、石頭というハンマーとノミで削り、凸凹を平たんに仕上げた加工です。手作業で仕上げたノミの跡が残る、味わい深い仕上がりが特長です。平たんな加工の中では最も粗い加工となります。今でこそ「石を切る」といったら、当たり前のように「機械で切断する」ことを言いますが、昔は「石を切る」といったら、ノミを使いひたすら叩くことを言いました。だからその名残で、「ノミ打ち」ではなく「ノミ切り」なのです。
小叩き仕上げ
両刃という道具を使い、約2mm間隔で細かなスジを付けていく加工です。現在はひとつの仕上げ方法として位置付けらていますが、昔は「石割り」→「ノミ切り」→「ビシャン打ち」→「小叩き」という順番で、石を平たんにしていく作業工程のひとつでした。小叩き肌は、現在でも根強い人気があります。
割肌仕上げ
丁場から石を割り出した、原石の状態の石肌のことです。その後大きな原石は、さらにセリ矢という道具を使って割っていきます。ある程度小さな石は、写真右の「コヤスケ」という道具を石頭(ハンマー)で叩いて割ります。江戸切りと呼ばれる石塀などには、割肌仕上げは欠かせません。
なぜお墓は石なのか?
日本の神話「古事記」を紐解くと、日本列島ができたのはイザナギの命(みこと)とイザナミの命(みこと)という、ふたりの男女の神様が生み出したことになっています。
その後、次々と神を生んだものの、火の神を生んだことが原因で、女の神様であるイザナミは亡くなってしまい、「黄泉の国(よみのくに)」へと旅立ちます。そして、どうしてももう一度イザナミに会いたいイザナギは、黄泉の国へと会いに行くことを決意します。
しかし、黄泉の国は生きた者が来ることを禁じている死者の国。そこで、イザナギはイザナミの変わり果てた醜い姿を見てしまうのです。イザナミは辱めを受けたと嘆き、魔物やたくさんの軍勢をイザナギに差し向けます。イザナギは十拳剣(とかのつるぎ)で追い払いながら、ついに現世と黄泉の国の境界である黄泉比良坂(よもつひらさか)まで逃げ延びます。
そして、この境界を「千引石(ちびきいわ)」という巨大な石で塞いでしまうのです。イザナギとイザナミは、この千引石を挟んで最後の会話をしました。つまり、千引石にはあの世とこの世を分ける境界としての意味があり、これが墓石の始まりと言われています。また、このように石を挟んでイザナギとイザナミが会話をする様子は、現在のお墓参りにおけるそれと同じと言っていいでしょう。
学校では、古事記というものがある!というくらしか教えてくれませんでしたが、日本にはこんな神話があったのですね!
※楽しく古事記を知るのにオススメ動画です!
中田敦彦のYouTube大学
【古事記①】日本の神話が面白い 〜日本の成り立ちを知っていますか?〜
【古事記②】日本の神 スサノオ&オオクニヌシ
石を含む、ことわざ・慣用句
これでも全部ではありませんが、いくつ分かるでしょうか?ぜひ覚えていって下さい。
石の上にも三年(いしのうえにもさんねん)
辛抱すればいつか必ず成功することのたとえ。冷たい石の上でも、三年座り続ければ暖まるという意から。
石橋を叩いて渡る(いしばしをたたいてわたる)
用心の上にも用心を重ねて事を行うことのたとえ。丈夫な石橋でも、安全を確かめてから渡るという意から。
千石取れば万石羨む(せんごくとればまんごくうらやむ)
人間の欲望は次から次へと大きくなり、きりがないということ。千石取りになれば、次は万石取りを羨むということから。
千石万石も米五合(せんごくまんごくもこめごごう)
たとえ裕福でも、一日に食べる米の量は普通の人と同じだから、人は必要な物が必要なだけあればいいということ。千石や万石の俸禄を取っている人でも、一日に食べる米の量は五合にすぎないという意から。
石に布団は着せられず(いしにふとんはきせられず)
親が死んでからでは、したくても孝行はできないというたとえ。 「石」は、墓石のことで、墓石に布団を着せても何の役にも立たないという意から。
焼け石に水(やけいしにみず)
援助や努力がわずかで、何の役にも立たないこと。焼けた石に少量の水をかけても冷めないことから。
石を抱きて淵に入る(いしをいだきてふちにいる)
自分から進んで災難や危険を招くようなことをするたとえ。自ら石を抱いて、川の深みに入るような無謀なことをするの意から。
一石を投じる(いっせきをとうじる)
平穏なところに反響を呼ぶような問題を投げかけること。静かな水面に石を一つ投げると波紋が生じるところから。
雨垂れ石を穿つ(あまだれいしをうがつ)
小さな努力も辛抱強く続けていけば、いつかは必ず成功するというたとえ。小さな雨だれでも、長い年月、同じ所に落ち続ければ、石に穴をあけてしまうという意から。「点滴石を穿つ」ともいう。
転がる石には苔が生えぬ(ころがるいしにはこけがはえぬ)
活発な行動をしている人が、常に健康で生き生きしていることのたとえ。また、転職や転居を繰り返す人は、地位も得られず金も貯まらないというたとえ。「転石苔を生せず」「転石苔むさず」ともいう。
石臼を箸に刺す(いしうすをはしにさす)
無理難題を言うこと。石臼を箸で刺すことなど不可能という意から。
石が流れて木の葉が沈む(いしがながれてこのはがしずむ)
物事の道理が逆であることのたとえ。
石地蔵に蜂(いしじぞうにはち)
何とも感じないことのたとえ。蜂が石地蔵を刺しても痛くも何ともないことから。
石に灸(いしにきゅう)
いくらやっても効き目のないこと、無駄なことのたとえ。
石に立つ矢(いしにたつや)
一念を込めて事を行えば、できないことはないというたとえ。
石に花咲く(いしにはなさく)
現実には起こるはずのないことのたとえ。
蒟蒻で石垣を築く(こんにゃくでいしがきをきずく)
とうてい出来るはずがないことのたとえ。
卵を以て石に投ず(たまごをもっていしにとうず)損ばかりでなんにもならないことのたとえ。また、道理の通らない愚かな行為のたとえ。石に卵を投げつけても卵が割れるだけで石はなんともないことから。
個人的には、千石取れば万石羨むと千石万石も米五合が好きです。
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